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口頭

ヒドロキシプロピルセルロースを母材とするゲル線量計の開発; $$gamma$$線照射での白濁化に対する検出剤組成の影響

山下 真一; 廣木 章博; 長澤 尚胤; 田口 光正

no journal, , 

電子線照射により橋かけしたヒドロキシプロピルセルロースをゲル母材とすることで、毒性が低く環境にもやさしい高分子ゲル線量計を開発した。がん治療での実用的な線量範囲(0-10Gy程度)において$$^{60}$$Co $$gamma$$線照射に伴う白濁化が確認され、検出剤組成により白濁しやすさが変わり、これにより感度を制御できる可能性が示された。さらに、紫外可視分光光度計を用いて吸光度(透過度)の線量に対する変化を調べたところ、観測波長により挙動は異なり、300-500nmの短波長領域では長波長領域(500-800nm)と異なる挙動が観測され、4Gy程度でミクロゲルによる散乱に対応すると思われるピークが300-400nm付近に出現することがわかった。このピークは照射とともに長波長側に100nm程度シフトすることもわかった。

口頭

水溶液中でのヒドロキシルラジカルとハライドアニオンの半結合

山口 真

no journal, , 

ヒドロキシルラジカルとハロゲン化物イオンの反応で生ずるヒドロキシルハライドラジカルアニオンの性質を密度汎関数法により検討した。領域分離型ハイブリッド交換相関汎関数が半結合の解離及び励起エネルギーの計算に適していることを確認したうえで適用し、ハロゲンと酸素の半結合を有する最適化構造を求め、紫外吸収や反応性などの実験値をよく再現する結果を得た。

口頭

ヒドロキシプロピルセルロースゲル膜の機械的特性改善

廣木 章博; 佐藤 利弘*; 長澤 尚胤; 田口 光正; 玉田 正男

no journal, , 

放射線橋かけ反応により得られるヒドロキシプロピルセルロース(HPC)ゲルは、環境に優しい材料であり、透明性に優れているものの、伸びにくく、裂けやすい。HPCゲルを医用材料として利用するためには、機械的特性を改質する必要がある。そこで本研究では、数種類のモノマー(メタクリル酸エステル)共存下で放射線照射することにより、ゲルを作製し、機械的特性の改善を行った。20wt%のHPC、2-5wt%のメタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)、0.2-1.0wt%のポリエチレングリコールジメタクリレート(23G)から成るペースト状水溶液を調製し、プレス成形後、電子線照射を行い、ゲル膜を作製した。50kGy照射すると、純粋なHPCゲルでは、ゲル分率は約85%に達したが、3成分から成るHPC/HEMA/23Gゲルでは、低下し70%であった。そのゲルの強度及び伸長率は、それぞれ2.0kg/cm$$^{2}$$, 124%を示し、純粋なHPCゲルに比べ、約2倍の強度と伸長率となることがわかった。透明性も良好であったことから、HPCとモノマーの放射線橋かけにより、HPCゲルの特性を改善できた。

口頭

イオンビームパルスラジオリシス法による塩化物及び臭化物イオンをプローブとした水分解挙動の解明

岩松 和弘*; 田口 光正; 須郷 由美; 倉島 俊; 勝村 庸介*

no journal, , 

高LET放射線の一つである重イオンビームの線質効果を理解することを目的に、水分子の分解によって生じる活性種との反応メカニズムのよくわかっているNaClやNaBrを溶解した水溶液試料へH$$^{+}$$(20MeV), He$$^{2+}$$(50MeV), C$$^{5+}$$(220MeV), Ne$$^{8+}$$(350MeV)イオンをパルス的に照射し時間分解分光測定を行った。照射で生じたOHラジカルと溶解しているBr$$^{-}$$及びCl$$^{-}$$の反応により生成した反応中間体、Cl$$_{2}$$$$^{-}$$やBr$$_{2}$$$$^{-}$$の収率の時間変化を調べた。いずれのイオン種においても、反応中間体の収率はOHラジカルの捕捉時間が遅くなるにつれて減少した。これは理論的に予測されているOHラジカルの時間依存性と同じ傾向であった。また、捕捉時間を一定にして、照射核種の質量やLETを大きくしたところ、反応中間体の収率は減少した。これはトラック内活性種密度の増加によるラジカル同士の再結合反応が原因と考えられる。

口頭

放射線グラフト重合法によるアニオン交換型ETFE電解質膜の開発

浅野 雅春; 越川 博; 八巻 徹也; 前川 康成; 山本 和矢*; 三瓶 文寛*; 朝澤 浩一郎*; 山口 進*; 田中 裕久*

no journal, , 

$$gamma$$線グラフト重合を利用したアニオン型電解質膜の開発を進めているが、ヒドラジンを燃料とした電池試験の結果、開放電圧が低く、燃料の膜透過が起こっていると、考えられた。そこで、その燃料の透過を抑制するために、高分子グラフト鎖に架橋を導入した。膜厚50$$mu$$mのエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体膜(ETFE膜)への$$gamma$$線グラフト重合は、アルゴン雰囲気下、室温で50kGy照射した後、窒素ガスでバブリングした0.5vol%のジビニルベンゼン(DVB)を含むクロロメチルスチレン/キシレン(1/1vol%)混合溶液中に浸漬し、60$$^{circ}$$C、所定時間反応させることで行った。得られたアニオン交換型電解質膜の含水特性を検討したところ、DVB未添加系に比べて添加系は低く抑えられることがわかった。

口頭

Analysis of hierarchical structure of ETFE-based graft-type polymer electrolyte membranes by small angle X-ray scattering

Tran, D. T.; 澤田 真一; 長谷川 伸; 大場 洋次郎*; 大沼 正人*; 勝村 庸介*; 前川 康成

no journal, , 

高導電性や高耐久性を有する放射線グラフト電解質膜を開発するには、既存のグラフト電解質膜の詳細な構造を理解する必要がある。そこで本研究では、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)を基材とするグラフト電解質膜の階層構造を小角X線散乱(SAXS)法によって解析した。基材ETFE膜のSAXSプロファイルでは、相関長d=23nmの位置に結晶ラメラに起因するピークが見られた。一方、スチレングラフト膜や電解質膜では、結晶ラメラの間隔が増大したことから、ラメラ内の非晶相にグラフト相が導入されたと考えられる。またグラフト膜と電解質膜では、相関長0.9, 1.5nmの位置にも新しいピークが観察された。これらのピークは、それぞれスチレン及びスチレンスルホン酸ユニット同士の間隔に起因すると予想される。

口頭

被照射ポリイミドの自由陽電子寿命による評価

平出 哲也; 岡 壽崇; 森下 憲雄*; 出崎 亮; 島田 明彦

no journal, , 

オルソーポジトロニウム(o-Ps)寿命によって高分子の微視的な自由体積評価を行うことが可能であり、多くの高分子研究に利用されているが、カプトンで代表されるポリイミド中ではこのポジトロニウムが形成されない。そこで、自由陽電子寿命を利用した分析の可能性を新たに提唱し、被照射ポリイミドについて試みた結果、自由体積変化の議論が十分に可能であることがわかってきた。

口頭

ゼオライトによる放射性汚染水処理における放射線効果の検討

永石 隆二; 熊谷 友多; 西原 健司; 山岸 功; 小川 徹

no journal, , 

福島第一原子力発電所の放射性汚染水処理において、処理前の汚染水,バッチ法やカラム法による吸着処理,処理後の廃棄ゼオライトを想定して、それぞれの放射線エネルギー吸収量を見積もり、これとCo-60$$gamma$$線による照射実験で決定した水素発生収量から、各ケースでの水素発生率を評価した。ここで、処理前とバッチ処理時の水素発生率を汚染水1tあたりで約0.2mmol/h、カラム処理時と処理後の水素発生率を約39mmol/hと評価した。さらに、吸着塔内での水素発生率に及ぼす脱水などの影響や、酸素の発生についても議論した。

口頭

原子力施設環境におけるケーブル絶縁材料の劣化メカニズム

島田 明彦; 工藤 久明*; 瀬口 忠男*; 田村 清俊; 杉本 雅樹; 出崎 亮; 吉川 正人

no journal, , 

ケーブル絶縁材料の熱酸化及び放射線酸化による劣化メカニズムを酸化防止剤の効果を主眼にして検討した。代表的なケーブル絶縁材の一つであるXLPE(架橋ポリエチレン)に酸化防止剤Nocrac 300を0.0-1.0phr(part per hundred resin)添加した試料を135$$^{circ}$$Cの空気中で800時間までの熱劣化又は1kGy/hで800時間までの放射線劣化をさせ、劣化に対する酸化防止剤の効果をそれぞれ調べた。熱劣化では、酸化防止剤が0.1phrという低い濃度であっても劣化が非常に抑制され、それ以上の濃度では、劣化の抑制効果はほとんど変わらなかった。一方放射線劣化では酸化防止剤濃度が0.1 phrでは抑制効果がほとんど見られないが、酸化防止剤濃度1.0phrでは劣化が抑制された。熱劣化と放射線劣化で酸化防止剤の効果が大きく異なる現象は、従来のメカニズムでは説明できない。酸化劣化の連鎖反応とは異なる新たなメカニズムを提案した。

口頭

A Study on the absorption spectra of Br$$^{-}$$, Br$$_{2}$$$$^{-.}$$, Br$$_{3}$$$$^{-}$$ in aqueous solutions at elevated temperatures

Lin, M.; 室屋 裕佐*; 勝村 庸介*; Archirel, P.*; Van-Oanh, N. T.*; 永石 隆二; 熊谷 友多; Mostafavi, M.*

no journal, , 

水溶液中Br$$^{-}$$, Br$$_{2}$$$$^{-.}$$, Br$$_{3}$$$$^{-}$$の吸収スペクトルの温度依存性をパルスラジオリシスと定常照射で測定した。Br$$_{2}$$$$^{-.}$$, Br$$_{3}$$$$^{-}$$はほとんど温度依存性を示さないのに対し、Br$$^{-}$$は長波長シフトを示す。Br$$^{-}$$のスペクトルシフトの実態を解明するため、量子化学計算を行った。温度によらず第一水和圏の水分子は陰イオンに強く結合していることがわかった。

口頭

Direct measurement of hydroxyl radical by picosecond pulse radiolysis

Lin, M.; 室屋 裕佐*; 勝村 庸介*; El Omar, A. K.*; Mostafavi, M.*; Meesungneon, J.*; Jay-Gerin, J.-P.*

no journal, , 

ピコ秒のポンプ・プローブ法によるパルスラジオリシスにより、純水中のOHラジカルのピコ秒での時間収量の直接測定を試みた。測定に際しては、溶融石英製の空セルからの吸収の寄与に細心の注意を払った。その結果、H$$_{2}$$OとD$$_{2}$$O中でのピコ秒領域のOH(OD)ラジカルの挙動の直接計測に成功した。実験結果とMonte-Carloシミュレーションや捕捉法がよく一致することを示した。

口頭

放射線重合における線量率効果及びLET効果の検討

中川 清子*; 田口 光正; 木村 敦

no journal, , 

マレイミド-スチレン共重合体は耐熱性が高く、液晶ディスプレイ等への応用が期待されている。本研究では、マレイミドとスチレンの共重合メカニズムとその線質効果を明らかにすることを目的として、窒素飽和したマレイミド及びスチレンを含む2-プロパノール溶液に、異なるLET値(0.2-600eV/nm)を持つ電子線,プロトン,ヘリウムイオン、及び炭素イオンを照射し、生成する共重合体の線量率及びLET効果について調べた。その結果、生成した共重合体の収率は、イオンビームの照射電流値を20nAとした場合には、LET値の増加に伴い3.7g/L/kGy(プロトン)から0.7g/L/kGy(炭素イオン)に減少し、共重合体の分子量もLETの増加に伴い57100から44500に減少した。一方で、照射電流値を2nAとした場合には、LET値の増加に伴い13g/L/kGy(プロトン)から3.7g/L/kGy(炭素イオン)に減少したものの、共重合体の分子量はLETの増加に伴い57000から61200に増加した。以上より、共重合体の生成収率及び分子量が、放射線照射によって生成するラジカルの空間分布や生成速度に影響を受けることを明らかにした。

口頭

水とモルデナイトとの混合物の放射線分解での水素発生と収量評価

熊谷 友多; 永石 隆二; 山田 禮司; 西原 健司; 山岸 功; 小川 徹

no journal, , 

放射性汚染水の除染処理に関連して、処理中の水素発生について評価するため、海水とモルデナイトとの混合物の放射線分解による水素発生を$$gamma$$線照射実験により測定した。その結果、海水の重量分率の減少とともに水素発生量は減少したが、水素発生量と海水重量分率との関係は単純な比例関係ではなかった。しかし、試料中の海水の重量分率が0.2以上では、海水及びモルデナイトのそれぞれへのエネルギー付与に起因した水素発生を考え、それらを混合比で重みを付けて和を取ることによって、水素発生量の混合比に対する依存性を説明できることがわかった。このとき、それぞれの水素発生量は吸収エネルギーと収量との積で与え、その収量は混合比に依存しない定数となった。この結果から、固体側に吸収されたエネルギーも水素発生に寄与するとして、液体側と固体側のそれぞれの収量を評価することで、混合物の放射線分解による水素発生を直感的に説明する可能性が期待される。

口頭

フェムト秒パルスラジオリシスによるイオン液体中の溶媒和電子・溶媒和前電子と捕捉剤の反応の研究

近藤 孝文*; Yang, J.*; 吉田 陽一*; 永石 隆二; 田口 光正; 高橋 憲司*; 加藤 隆二*

no journal, , 

イオン対のみで構成されているイオン液体中では特異的なイオン反応や電子移動反応が誘起されることが知られており、新規の放射線化学反応場と期待されている。そこで、放射線照射によって生じた電子の反応挙動を解明することを目的に、近赤外フェムト秒パルスラジオリシスにより、アルキルアンモニウム系イオン液体に電子線を照射した時の電子の溶媒和過程を分光学的な手法により観測した。観測波長1380nmでは溶媒和前電子の減衰が、さらに1200nmでは溶媒和電子の生成過程が観測された。これら吸光度の時間変化は、溶媒和前電子と溶媒和電子の光吸収帯の重なりを考慮することで定量的に解析できた。さらに、添加するニトロメタンの濃度依存性からニトロメタンが溶媒和前電子と反応性が高いことを明らかにした。

口頭

軟X線照射したDNA薄膜の軟X線吸収スペクトル変化

藤井 健太郎; 横谷 明徳

no journal, , 

軟X線により特定元素のK殻電離を起こすことで、DNA中の特定部位に選択的に変異を誘発することが期待されている。われわれはこれまでに、単色軟X線の照射後プラスミドDNA中に生じる主鎖切断量及び核酸塩基変異の誘発量を酵素タンパクを用いて定量を行った。その結果、炭素、窒素や酸素K殻電離前後でDNA変異の誘発量が顕著に変化することが明らかになった。しかし、照射により生じた変異の分子構造の詳細については不明である。そこで、その分子構造変化についての情報を得るため、照射前後でDNA薄膜のX線吸収端近傍微細構造(XANES)スペクトルの比較を行った。その結果、塩基部位ではおもに脱プロトンが、主鎖部位ではおもに糖分子の分解が起こっていることが明らかになった。

口頭

高分子捕集材等を利用した環境からの放射性物質回収・除去技術の開発

伊藤 久義; 瀬古 典明; 黒木 良太; 矢板 毅; 長縄 弘親; 中山 真一

no journal, , 

環境汚染除去技術開発の一環として、セシウム吸着機能を持つ官能基を付加したグラフト重合捕集材,高いセシウム吸着選択性を有するタンパク質及びクラウンエーテル捕集材を開発するとともに、ポリイオン及びベントナイト(粘土)により土壌表層に存在するセシウムの固定化・回収技術を開発した。当該技術を用いたフィールド試験を福島県飯舘村にて実施し、その有効性を実証した。

口頭

アクリロニトリルを用いた放射線エマルジョングラフト重合の検討

佐伯 誠一; Puspitasari, T.*; 瀬古 典明

no journal, , 

従来の放射線グラフト重合では溶媒としてジメチルスルホキシド等の有機溶媒を使用することから、その使用量の低減が検討されている。本研究では、有機溶媒の代替としてo/wエマルジョンを用いて、アクリロニトリルの不織布への放射線グラフト重合を試みた。結果、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒を使用した場合と比較して、著しいグラフト率の増加を確認し、効率的にモノマーを消費できることが示された。また、グラフト率は界面活性剤濃度にあまり依存せず、アクリロニトリル濃度に大きく依存した。以上より、アクリロニトリルを用いた放射線エマルジョングラフト重合は、有機溶媒使用量を低減しながらも、高効率にグラフト反応を促進することが示された。

口頭

Synthesis of amine-type adsorbents with emulsion graft polymerization of 4-hydroxybutyl acrylate glycidylether

Ma, H.; 保科 宏行; 瀬古 典明

no journal, , 

本研究では、ポリエチレン/ポリプロピレン不織布に対し、4-ヒドロキシアクリレートグリシジルエーテル(4-HB)を用いて放射線エマルジョングラフト重合を行い、アミン型吸着材の作製を試みた。不織布へ線量30kGyの照射を行い、4-HB 5%・Span20 0.5%のエマルジョンを用いて40$$^{circ}$$C・2時間の反応を行ったところ、135%のグラフト率を得た。続いて、エチレンジアミンによるアミン化を行い、アミン型吸着材を得た。本吸着材は、グラフト重合において典型的なモノマーであるグリシジルメタクリレートを用いた吸着材と比較して、機械的強度のみならず、銅・鉛イオンの吸着容量においても高い性能を示した。

口頭

窒素・酸素のK殻イオン化によるDNA変異と不対電子の関係

岡 壽崇; 横谷 明徳; 藤井 健太郎

no journal, , 

放射線によるDNA変異の物理化学過程の解明のため、DNA核酸塩基薄膜及び仔牛胸腺DNA薄膜のESR測定を行った。軟X線照射中のみチミン・シトシンやDNA薄膜中に誘起されるsingletな短寿命の不対電子のESRシグナルのg値は2,000であり、自由電子のg値よりも低いことがわかった。DNA塩基の短寿命シグナルを放射光リングのバンチモードを変えながら測定したところ、シグナル形状や不対電子収量はバンチモードに依存せず変化しなかった。ESRシグナルから求めたDNAの不対電子収量の窒素及び酸素のK殻吸収端近傍の軟X線エネルギー依存性を調べたところ$$pi$$$$^{*}$$$$sigma$$$$^{*}$$といった微細構造が確認でき、X線吸収微細構造(XANES)によく似た形であることがわかった。窒素・酸素のどちらにおいても、イオン化閾値以上のエネルギーにおいてESR強度がXANES強度よりも2倍程度大きかったことから、DNAは内殻イオン化によって生成した正孔に加えて、オージェ電子の付着の結果生じるアニオンラジカル等を一緒に検出していると考えられた。シトシンでも同様にESR強度がXANES強度よりも2倍以上大きかったことから、シトシンがDNA変異過程において電子の一時的な貯蔵庫の役割を果たしており、DNAの不対電子の起源の1つになっていることが推察される。

口頭

沸騰水の放射線分解による水素の発生と濃縮; 福島第一原子力発電所4号機の水素爆発の謎

勝村 庸介; 山下 真一; 平出 哲也; 松浦 千尋*; 岩松 和弘*; 田口 光正

no journal, , 

福島第一原子力発電所4号機の水素爆発の原因を検討するため、沸騰あるいは非沸騰の水を用いて$$gamma$$線照射で発生する水素の定量試験と濃度分布測定を行った。沸騰していない静水の場合、$$gamma$$線照射で発生する水素のG値(収率)は非常に小さいものの、沸騰している場合は純水でG=0.24, 3.5%食塩水ではG=0.54となった。一方、酸素の発生量は水素の1/5程度であった。また、非照射下において、100Lのアクリル箱に水溜を設置して内部の水素濃度分布について調べたところ、水が沸騰していない条件では箱内部で水素が均一に分布するものの、沸騰条件では水蒸気の移動に伴い、水蒸気が結露する壁近傍や低温部で水素が濃縮することを見いだした。

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